御嶽海に期待

大相撲は奇数月に本場所が開催される。今は8月、偶数月であり、本場所は無く、夏巡業の真最中である。どの力士も一生懸命稽古して体を鍛え、9月の秋場所には数多くの熱戦が繰り広げられることを期待している。先場所は関脇の御嶽海が13勝2敗でめでたく初優勝を飾った。初土俵から21場所での快挙だった。押しの威力がスゴく、またまわしを引いての相撲にも進歩が見られた。もろ差しからの寄り、あるいは左四つで右の上手を引いてからの出し投げなど、今まではなかったような四つ相撲の上手さが光った。もちろん御嶽海の魅力は低い重心を生かしての押しだが、これから大関、さらに横綱を目指していくのであれば、ある程度は組んでも取れる方が良いと思う。去年の名古屋場所横綱白鵬を左四つから寄り切ったこともある。さらに安定した相撲内容を期待したい。さて、秋場所はいよいよ大関昇進に挑戦する。夏場所は小結で9勝、名古屋場所が関脇で13勝。大関取りの一応の目安が直近3場所三役で33勝と言われている。つまり御嶽海は秋場所で最低11勝が求められる。先場所は3横綱、1大関が休場した。御嶽海が対戦した相手で格上だったのは豪栄道と高安の両大関だけ。比較的、ラッキー感のある優勝だったのは否めない。秋場所は休場した横綱大関陣も復帰してくる。御嶽海にとって名古屋場所よりも厳しい状況になるかも知れない。ただ、今一番勢いに乗っている御嶽海。夏巡業で頑張って稽古して、その成果を本場所で100%ぶつけてほしい。立ちはだかる壁をそのつどはね退けていけば、大関は狙わなくても、向こうからやって来る。御嶽海に期待する。